設立の経緯
脱我連合は、匿名の哲学者により創設されました。
目的と信念
- 「自己からの脱却」――すなわち「脱我」を目的に、我々『脱我連合』は活動しています。 「死にたくはないが、消えたい」「自分という存在が憎い」。そうした葛藤を抱える者たちが、私たちの行う儀式に救済や安堵を見出し、連合の参加者は静かに、しかし確実に増え続けています。
- あなたがあなたでなくなることが、救いになることもあるのです。
主な活動
当連合が行っている儀式は、目隠しをした状態で、不特定多数の参加者と非性愛的な接吻を交わすというものです。この接吻は、単なる行為ではなく、「他者との境界を曖昧にする哲学的な実践」として捉えています。視覚情報を遮断した状態で、自他の境界を曖昧にする体験を通じて、「自分」という輪郭を規定する外殻を解き放つ――その瞬間こそが『脱我』の達成であると考えます。

儀式のイメージ↑
参加ガイド
- 集合場所:目隠しを装着し、指定された場所に集合していただきます。実施場所は幹部により前日に告知されます。
- 儀式内容:
- 目隠しをした状態で、何時間でも接吻を続けます。接吻は性的要素を一切含まない非性愛的行為として行います。
- 接吻を繰り返すことで、少しずつ「自分」と「他者」の境界が曖昧になる感覚を得ることができます。
- 修行進行:
- 脱我は通常、一度の儀式では達成できません。
- 参加者は「境界が曖昧になる感覚」を感じるまで、儀式を終了しないでください。これには最低でも数時間を要することがあります。
- 参加者が感覚的に境界を曖昧にしたと感じる、または儀式の時間が終了するまで接吻を続けていただきます。
- 備考:
- 目隠しと無音の状態が脱我に集中する際の条件となります。
- 性的な側面や個々の趣向は一切無関係であり、目的は純粋に境界を曖昧にすることのみです。
今後の予定
コラム
私たちが「自己」と呼ぶものは、実は他者との関わりの中で形成される仮初の概念に過ぎません。名前や職業、性別、外見などのラベルは、私たちが社会の中で機能するための道具であり、内面的な本質を表現するものではないのです。
脱我連合の儀式は、この自己という仮の枠組みを解体し、物理的・精神的な境界を無くすことを目的としています。目隠しをし、匿名の他者と非性愛的に接触することで、自己を一時的に消し去り、他者との境界が消えた状態で「存在」そのものを経験します。これは、自己を超越し、本質的な「無」に近づくための道のりです。
私たちの目指すのは、他者を「他者」として捉えず、自己と他者の境界が溶け合うこと。脱我連合の儀式は、それを実現するための手段に過ぎません。
人が他者と接触することには、無限の可能性があります。単なる肉体的接触にとどまらず、精神的、感情的な変容を促す力を持っています。しかし、接触が性愛的である必要はないのです。
脱我連合においては、接吻や手のひらを交わすことで、互いの境界を無化し、「自己」を消し去りつつ他者と一体化する体験を重視します。これらの儀式は、欲望に基づくものではなく、自己と他者の違いを超越するための行為です。
非性愛的接触を通じて、私たちは自我を放棄し、純粋な「存在」として他者と交わることを目指しています。この接触が示すのは、欲望を排除した新たな関係性の可能性です。
現代社会では、私たちの「誰であるか」が常に問われ続けます。私たちは名前や職業、社会的地位で自分を定義し、それに基づいて行動します。しかし、そのような定義が本当に私たちを表しているのでしょうか?
脱我連合の活動は、個人の「名前」や「役割」から解放され、純粋な自己を探し求める過程です。匿名性は、この過程を支える重要な要素であり、自己を超越するための手段として機能します。
匿名であることによって、私たちは既存の枠組みから解放され、純粋な自由を手に入れます。自己を定義づけるあらゆるラベルを取り払うことによって、初めて本当の意味での「自由」が訪れるのです。